猟師の高齢化や減少が進むことで、野生動物が田畑に侵入して農作物を食い荒らす被害が大きな社会問題になっています。豊かな自然が残るあしがらエリアも例外ではありません。
12月17日(木)、南足柄市にある「農家Cafe Raku」で、その害獣の命を無駄にせずに食につなげるためのジビエ試食会があると聞き、伺いました。
今回試食として味わったのは、神奈川県内の女性ハンターで構成された「Japan Hunter Girls」が、南足柄で狩猟した鹿や猪肉をメインにしたメニュー2品。炭火で焼いた鹿と猪の2種類の肉が味わえる「二獣(にじゅー)丼」と、森林ボランティア競技会から提供された南足柄産のヒノキの上に、猪の肉を置き蒸しあげた「ジビエのヒノキ丸太蒸し」です。どちらも“湘南野菜薬膳”と名付けられた小巻ファームの無農薬野菜が添えられ、彩りもきれいです。
ジビエというと野生味が強く独特な臭みが気になりますが、きちんと下処理が行われているようで、臭みや嫌な脂っぽさがなく、軟らかく淡白でオイシイ!
見た目もインパクトがある丸太蒸しは、塩コショウでシンプルに味付けされ、口にいれると、ふんわりとヒノキの香りが広がります。
農家Cafe Rakuのオーナーの和田さんは、「お客様が驚きとともに笑顔になっていただきたく、新たなジビエメニュー作りに取り組んでいます。美味しいという表現よりも、“うまい!”といったワイルドなメニューを考案できればと、ジビエの風味を活かしたハンバーグ作りも挑戦しています。ハンターが駆除したジビエを買い取ることで、命を無駄にしない取り組みに少しでも協力できたらうれしいです」と話します。
また、今回、メニューの監修を務めたJapan Hunter Girlsの田坂さんからは、「皆さんに美味しいと召し上がっていただき、嬉しい気持ちでいっぱいです。多くの方に食べてもらうことで、駆除しなければいけない動物の命を、無駄にすることなく、つなぐことができ、生き物への供養にもなるかと思います」とのこと。
ちなみに、「農家Cafe Raku」で提供されるジビエメニューは、ジビエが入荷した時だけ登場するそうです。地元産のジビエを味わい、自然環境や命の大切さなど改めて考えてみませんか。